here and there Vol. 14 Collage Issue

【here and there - Vol. 14 Collage Issue 】

『here and there』は『花椿』元編集者・林央子が2002年に創刊したオルタナティブマガジン。
ファッション、アート、カルチャーを独自の視点で融合し、「自分の時間、友人、出来事のなかで記録する価値のあるものを記録する」というDIY精神に基づいて制作され、世界中で根強い人気を誇っています。

今号の特集テーマは「collage」。
「コラージュとは、既存の時間、価値、歴史、ルールに対して個人的に抵抗すること。小さなアクションの積み重ねで、大きなものに対抗すること」というアーティスト・金氏徹平さんの言葉からこの特集タイトルが決まった今号。

自分のなかからわきあがる、「つくりたい」という真摯な気持ちに出会うこと。
さまざまな課題を抱える社会のなかで「つくりながら生きる」ことにより、自分なりの抵抗を示すこと。「つくる」行為のさきにいる、それが届く先にいる人を思う気持ち。そうした体験や感情が、ますます貴重なものになっている時代なのではないでしょうか。
(林央子さんステートメントより)

2018年に編者がかかわり開催されたエレン・フライスの展覧会をきっかけに、Cosmic Wonder、ミランダ・ジュライ、高橋恭司、マイク・ミルズ、エレナ・トゥタッチコワらが紙面に集ったファッションフォトをはじめ、京都・福知山の山村で服作りをおこなう「iai」の居相大輝、今福華凛と大谷将弘が2014年に結成したファッションレーベル「PUGMENT」、羊にまつわる映像作品の制作や自身の作品について執筆行為をはじめた志村信裕らの特集、そして展覧会や雑誌『Purple』をめぐるエレンへのロングインタビューなどを収録。

スマートフォンで誰とでも即座につながり、いつでもネットショッピングができる。たくさんの情報を瞬時に得ることができ、欲望を満たすことが容易になったいま、「何に価値を置くか?」が問われる時代になってきている。また、人が「つくる」ことの大部分を機械に委ね、安価な品物を大量に生産する方向に向かっているなかで、「つくる」ことの価値を再考する時がきているのではないだろうか。こうした風潮にあらがうように、さまざまな場所で、真摯な姿勢で「つくる」行為が実践されていることに、私は価値を置きたいと思って、この特集を思い立ちました。
(林央子さんステートメントより)

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林 央子(はやし なかこ)

編集者、ライター、キュレーター、リサーチャー。資生堂『花椿』の編集に携わったのち、01年にフリーランスになり、02年に『here and there』を創刊。96年「Baby Generation」展や14年「拡張するファッション」展のように、出版物企画に端を発した展覧会の創出に携わってきた。著書に『拡張するファッション』(2011)『つくる理由』(2020)『わたしと『花椿』』(2023)ほか。2023年より、University of the Arts London, London College of Fashionに在籍する(PhD candidate
/Fashion Journalism)。

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1,980円(税込)
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